かあちゃん2.
昭和初期の頃
大工兼農業の親父と結婚する
嫁ぐ頃は親父の両親兄弟の大家族なので大変だったと思う
昭和10年姉が誕生
兄が13年、自分が15年、妹が17年と
2年に一度子供を産むが
保子の下に生まれた妹の洋子が幼女の頃
肺炎をこじらせて亡くしている
おふくろは随分辛く悲しい思いをしたと思う
後年洋子は、一番下の器量よしだったと偲んでいた
やがて弟が生まれ 2年後に妹が生まれる
最後の子供なので末子と名付ける
末子の誕生する瞬間は今でもはっきり覚えている
保子と縁側で乾燥芋を喰っている時産声を聞いている
お産婆さんは頼まず、苦しんでいるおふくろを
おばあちゃんが励ましながら取り上げる
柱に腰ひもを結わえ付ける
その紐をおふくろは
両手で縋り付くようにしていたのを見ている
おばあちゃんが
「あっちへ行ってろ!」と言う
おふくろがよく「洋子が生きていたら今何歳だ」
と死んだ子の歳を数えていたのを思い出す