追憶

父が雑記帳に記していることを娘のワタシが転記していこうと思います

饅頭

ある日お婆ちゃんは近所の家で

お茶菓子として出された饅頭をもらい

 

自分では食べずに持ち帰って

病床のおふくろに

「子供たちに内緒で早く喰っちめえ」

と渡したそうだ

 

嬉しく有難く布団を被り泣きながら

饅頭を喰ったとおふくろから聞かされた

 

饅頭の美味しさは無論のこと

お婆ちゃんの気持ちが

どんなにか嬉しかったことだろう

 

甘いものが貴重で砂糖も配給の頃だと思う

孫達がご飯に砂糖をかけて食べた頃の話である