追憶

父が雑記帳に記していることを娘のワタシが転記していこうと思います

母危篤

昭和46年7月

おふくろ危篤の連絡が入る

タクシーで経堂から溝の口までを急ぐ

病院に到着し病室に入った時には意識が薄れ

苦しそうに喘いでいる

「薫には知らせるな、商売が軌道に乗ってきたとこだから」

と言っていたらしい

こんな苦しい思いをしているのに、と涙が出てくる

肉親、親族が集まり見守る中、

57歳というあまりにも短い生涯を閉じる

子どもたちが「かあちゃん」と泣き叫ぶ

親父は耐えきれず子供のように泣く

二人で歩いてきた道程

様々な思い出が脳裏に浮かんでくるのか

涙を拭うこともなく泣き続ける