怒って座敷を躄(いざ)りながら追っかけてきたかあちゃん
結婚式で三々九度の献杯の時、吹き出して笑っていたかあちゃん
「おめえ、はんぺん好きだったじゃねえか」
不自由な足ではんぺんを焼いてくれたあの日のかあちゃん
数々の思い出を残し57歳の若さでこの世を去る
まるで忘れ物でも取りに行くかのように
そうか、まだ洋子を育てなければと思っていたのかな
あとから逝ったおとっちゃんと洋子と三人で
今頃何をしているのかな
たまに姉や妹たちに会うと
動さ、しぐさが何ともかあちゃんに似ている
深い、ふかーい根っこの部分で
かあちゃんとしっかり繋がっている
まるで臍の尾のように