追憶

父が雑記帳に記していることを娘のワタシが転記していこうと思います

洋品屋

夏が終わり9月初旬のある日

 

洋品屋が大きな風呂敷包みを背負い我が家に寄る

縁側で風呂敷を開き品物を並べる

 

かあちゃんジャンバー買ってくれよ」

と頼むが

 

かあちゃんはすぐに買うそぶりはしないで

さも要らないような顔をする

 

駆け引きが始まったのだ

暫く粘っていたところに親父が帰ってくる

 

「職人がそんな派手なものを着るな」

と怒っている

 

ただ裏地が赤いだけだったのに

 

結局その日は買わなかった

かあちゃん洋服屋

長い長~い戦いだった