追憶

父が雑記帳に記していることを娘のワタシが転記していこうと思います

親父の兵隊時代の愚痴は聞いたことがなく、逆に良い思いをしたようだ。

班長に可愛がられて恵まれていたと言っていた。

軍隊での電線工事の時なども,

何の技術のない兵隊は重い電線を担ぎ運ぶ時でも

大工の親父は電柱に腕木を打ち付けるだけでよかったらしい。

大工でよかったと思ったことだろう。

 

親父は賭け事はあまり好まなかったように思うがどうだったのかな

好き嫌いよりそんな余裕などなかったのが本音だろう。

たった一度だけ日吉の豊さん(祖父の弟子)と競馬に行って少しだけ儲かったので

即大工道具を買ったと聞いている(大道具時代)

 

親父が60代の頃かな

登戸駅でばったりと会う。誰かを待っているようだ。

「どこへ行くのよ」と聞くと

「うん、喜六さんと競馬に行くんだ。喜六さんの馬が走るんだよ」

「ふーん、俺は友達に車券を買って来てくれと頼まれちゃってよ」

「そうかよ」

本当は一人で立川競輪に遊びに行くのに嘘をついた。

なんとも後味が悪い。